Conkers 26AW
こんにちは、TFの鈴木です。
“Local”という言葉。
2026秋冬シーズン、Conkersのある種テーマ。
“Your local pub”
いわゆる、行きつけのパブ。
地元の人たちが集まって、仕事帰りに一杯飲んだり、くだらない話をしたり、たまには一人でぼんやりしていたり。
イギリスで呑んだことはないので想像でしかありませんが、、、。
日本ではあまり馴染みはありませんが、詰まるところの居酒屋だったり、スナックだったり、バーだったり。
行きつけじゃないにしても、ちょっと贔屓にしている店。
たぶん、そんなもんだと思っています。
まあ、いかにもイギリスらしい文化ではありますが、日本にも似たような場所は昔からあります。
僕自身、特別お酒が好きというわけでも、、、いや、、好きではありますが、、、生活もありますので、毎日のように飲みに行くわけではありません。
それでも、月に一度くらいは、そういう場所で仕事のことを考え直したり、逆に何も考えなかったり。
日々の生活から少しだけ離れて、また戻ってくる。
酒場には、人それぞれの楽しみ方があると思います。
今回の“Local”も、そんなニュアンスかなと考えています。
「そこに着ていく服」ということでもないし、いわゆるローカル感のある服を作ろう、ということでもありません、、たぶん。
もっと単純に、その土地で昔から続いているもの。
その土地で普通に使われているもの。
素材だったり、作り方だったり、生活の中に当たり前にあり続けてきたものだったり。
そういうものを知る、再認識することで、彼らの服の見え方も変わってくるのかもしれません。
最近、世の中はあれこれと色んなことを言いすぎている気もします。
パブ繋がりで言えば、そもそも僕自身、そんなにグルメな訳でもありません。
高級な料理やお酒よりも、昔からある普通の料理が好きです。
ちゃんと出汁を取っていて、ちゃんと焼いていて、ちゃんと味がする。
奇をてらっていないけれど、何度食べてもいいみたいなやつ。
服も、たぶん似たようなところがあります。
昔からある生地。
昔からある形。
昔から続いている作り方。
Conkersの服もまさにそうで。
イギリスの田園や、そこで暮らす人たちの生活。
昔からある服の形や、土地に根付いた素材。
英国の職人や、今も残っている小さな工場。
そういうものをひとつひとつ拾いながら、今の服にしている。
なので、ものすごく新しいことをしているようには見えはしないんですが、、笑
ただ、そんな昔からあるものにあまり馴染みのない僕にとっては、非常に新鮮で。
だからこそ面白い。
写真や言葉で、その実体以上に“映え”させるようなものではないので、頭で考えるよりも、見て、触って、着て、感じてもらいたい。
一応、簡単な解説は書きはしますが、、、笑
最後はやっぱり服そのものだと思っています。
そういうところから、今回のConkersを見てもらえたらと思います。
とても良い服です。
UNDYED BRITISH WOOL BALWEN PEACOAT / ¥261,800-
無染色の英国産ウールを100%使用したPコート。
3/4丈のダブルブレストにノッチドラペルという、いたってクラシックなスタイル。
いいですね〜。
使用している生地は、イングランド南西部で1728年に創業した老舗テキスタイルメーカー、MARLING AND EVANS (マーリング & エヴァンス)にて。
「BALWEN」は、ウェールズ原産の羊の品種に由来する名前です。
このウールの面白いところは、原毛を染めていないこと。
羊毛そのものが持つ自然な色をそのまま使い、紡いで、織っています。
いわゆる「色をつけたウール」とは似て非なるもので、いくつもの毛色が混ざり合ったような、なんとも言えない奥行きがあります。
素材本来の風合いを残すために、強い洗いもあえて行っていません。
よく見ると、羊が暮らしていた牧草地の草の繊維がわずかに残っているなんてことも、、笑
紡績から織り、仕上げに至るまで、染料や化学物質を使わず、仕上げには天然石鹸を使用。
さらに、それぞれの工程を担う工場がHUDDERSFIELDの半径5マイル以内に集まっているという、非常にローカルなものづくりも素晴らしい。
もちろん、そうした背景も面白いのですが、個人的には何より、この生地そのものが良い。
英国のウールらしい素朴さがありながら、決して野暮ったくない。
自然の色をそのまま生かした生地だからこその、なんとも言えない表情があります。
流行とはあまり関係のない服ですが、こういうものは何年か経ってから、また良く見えてくる気がします。
歳を重ねるとこういったものに惹かれ始めます、、、。
実にイカした一着です。
DRY WAX COTTON BLANKET JACKET / ¥173,800-
素材は、スコットランド・ダンディーに拠点を構える、1864年創業の老舗ファブリックメーカー、HALLEY STEVENSONS (ハリー・スティーブンソン)のワックスドコットン。
独自の技術から生まれたこの素材でして、いわゆるTHE☆イギリス!みたいなワックスドコットンらしい重さやベタつきは感じずに、さらりとした軽い肌触りが特徴です。
そして何より、色がいい。
黒なんですが、、。
ワックスを入れることでどうしても色が沈みがちなのですが、これはそれを感じさせない、軽さのある黒に仕上がっています。
ハリのあるワックス地は、着込んでいくうちに少しずつ柔らかくなり、身体にも馴染んでいきます。
着用を重ねることで、折り曲げる部分には「チョークマーク」と呼ばれる筋が現れたり、表面の質感が変化していったりするのも容易に想像ができます。
また、気温によって生地の表情が変わるのも面白いところで、寒い環境では硬くなって防風性を高め、暖かくなると柔らかくなり、通気性が出る。
なかなかよく出来た素材です。
こっち系の素材は、ベタつきさえ無ければいいので、、、、流石の一着。
故に新品の状態が完成ではなく、着る人それぞれの時間がそのまま服に残っていくタイプです。
ちなみに、ワックスドコットンは基本的に洗濯やクリーニングができません。
ワックスが落ちて、機能性が低下しますので。
ただ、これは一概にデメリットとも言えなくて、、、そもそもワックスによって水や汚れが生地に付きにくくなっているというメリット。
つまり、あまり洗わなくていい。
そう考えると、ずいぶん気楽な服でもあります。
ライニングにはブランケットを使い、衿とポケットの縁にはベッドフォードコードを。
ベッドフォードコードは、コーデュロイのような縦畝を持つ丈夫なコード織りの生地で、その畝は畑に土を盛ったときの、何列にも連なる畝のようにも見える。
イングランドの町、ベッドフォードにちなんで名付けられた生地と言われています。
ワックスドコットンにブランケット、ベッドフォードコード。
素材だけを見ても、かなりカントリーな組み合わせ。
それをジャケットとして着る。
こういう、オールドスクールながらも、現代の服として成立させている感じが、なかなか良いなと思います。
IRISH DISHCLOTH WEAVE LINEN FARMER SHIRT / ¥96,800-
1962年創業、家族経営のEmblem Weavers(エンブレム・ウィーヴァーズ)によるアイリッシュリネンを使用したファーマーシャツ。
アイリッシュリネンらしい、豊かな風合いと素朴感。
いいですね〜。
形はクロップド丈でボクシー。
ゆったりとした身幅に、ストレートなヘムライン、左胸にはパッチポケット。
襟にはさりげなくジグザグステッチを入れ、ボタンにはコッツウォルズ産のカゼインボタンを使用しています。
さらに、製品にはヘビーガーメントウォッシュを施しているので、最初から生地が少し馴染んだような、柔らかな表情に。
前シーズンに半袖で展開していたファーマーシャツの、秋冬版と思っていただくと分かりやすいかもしれません。
とはいえ、いわゆる「秋冬のシャツ」という感じでもなく。
リネンの軽さと、ゆったりとしたシルエットのおかげで、今の時期から普通に着られます。
ある意味、昨今の暑っ苦しい日本の気候にはあっているのかもしれません。
着込むほどに少しずつ柔らかくなっていくアイリッシュリネンと、肩の力が抜けたようなシルエット。
色はお好きな方でどうぞ。
PRE-SHRUNK LINEN TWILL TATTERSALL KNOT SCARF / ¥42,900-
1962年創業、家族経営のEmblem Weavers(エンブレム・ウィーヴァーズ)によるアイリッシュリネンを使用したスカーフ。
正直、これまでTFでもあまり提案してこなかったアイテムです。
なので、これまでであればスルーしていたんですけどね、、、
ねじねじ。
巻いた感じが結構いい。
製品染めを施したタッタソールチェックの生地で、裾はカットオフ。
そして、この独特の形。
ねじねじ=中尾彬
我々世代~それ以上の方は、そう思うかもしれません。
付けてみると、いいんですよこれが。
首にぐるっと巻くだけなのですが、普通のスカーフとは少し違う。
お洒落すぎない。
あんまり語るのは違いますね。
野暮は嫌いだよ。
とまあ、、、ざっとこんな感じにイギリスから届いています。
(オススメしたい小物も後にやってきます)
一先ず今日から並べております。
価格も、決して手に取りやすいものではありません。
ただ、今回のConkersを見ていると、単純に「高い、安い」だけではないんだろうな、とも思います。
そこは、他のブランドもそう。
何十年、何百年と続いてきた素材や技術があって、それを今も残している人たちがいて。
そういうものを使って、今の服に落とし込んでいる。
TFに並ぶブランドの多くが、派手なことをしている訳ではありません。
けれど、時間をかけて残ってきたものには、それなりの理由がある。
着て、触って、時間が経って。
そのうち自分のものになっていく。
今回の“Local”というテーマも、結局はそういうことなのかもしれません。
すぐに消費してしまうものではなく、長く付き合っていけるもの。
まあ、服なんて本来そんなもんでいいんじゃないでしょうか。
そんな訳で、少しばかり値段は張りますが。
実物を見てもらえれば、きっと分かっていただけると思います。
とても良い服です。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。